純白のドレス、純赤のドレス

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神父は私に問う。「彼に永遠の愛を誓うか?」と。
私は答える。「はい」と。
その時だ。私の白のドレスが赤に染まった。
神父は言う。「この者は嘘をついている」と。
バレてしまった…そう。私は彼に永遠の愛を誓う事は出来ない。私はとても浮気性なのだ。彼一人の愛ではとても満足できない。でも身を固めたいと思ったのは本心だ。彼と結婚したいと思ったのも本心だ。
しかしこうなった以上、彼は私に幻滅するだろう…
新郎は言った。「それがどうした?」と。
「私は人から何かを奪う事が大好きだ。彼女が浮気する?大歓迎だ。私はその度に彼女の奪い返そう。再び私のもとに戻ってくるよう何度でも私を磨こう。私はそんな彼女を愛すると誓おう」
神父は慄く。「この者の発言に嘘はない」と。
私は驚く。だから言わねばなるまい。「私も今は貴方を心から愛しています」と。
赤のドレスが白に染まっていく。
彼は笑った。「これが僕らの幸せだ」と。
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公開:20/04/02 19:11

幸運な野良猫

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元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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