隠し事

6
4

嫁はぼくを疑っている。


朝、自宅を出るとまず、指輪、靴、スーツに盗聴器、監視カメラがないことを確認する。

そして車に乗り込み、ドライブレコーダーのGPS機能をOFFにする。

昼休憩時に会社を抜け出して1度家に帰ったが、ドアに紙が挟んであった。

これは、ぼくが帰ってきたかを確かめるための嫁の策略だが、相変わらず仕掛けが甘すぎるので張り合いがない。

自宅で隠し事を済ますと、全く同じ位置に紙を挟んで家を出た。

嫁は用心深い方だと思うが、ぼくには勝てない。

ぼくの隠し事はバレたことがないし、これからもないだろう。

仕事が終わればいつも連絡してから帰るのだが、今日は少し遅くなるという嘘LINEを送る。

よし、信じている。


俺はこっそり予約しておいた嫁への誕生日ケーキをとって、昼間パーティの飾り付けを済ました自宅に向かって車で走り出した。
恋愛
公開:20/04/02 13:31

たかやん( 四国 )

ど田舎住みの25歳現役営業マン。

夢は、文章を書くことを仕事にすることと、3ヶ月に1回海外旅行に行ける生活をすること。

目まぐるしく時代が更新され続け、何事も『機械化』している世の中で、『人に書かれた文章』のみが持つ『人間味』に触れたいと考え、当サイトに登録することにしました。

時代に乗り遅れないように『最先端』かつ、
心があったかくなるような『人間味』をあわせ持った作品を作っていきたいと考えています。

どうぞよろしくお願いします。
 

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容