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有明さんの頭をサッカーゴールに向かって蹴った。
「痛くないの?」
「ぜんぜん」
どちらかというと僕の心の方が痛かった。
有明さんは柔らかく笑う。
「人の頭だけは蹴るなって父さんによく言われたのになぁ」
「別にいいじゃない」
隣のクラスの有明さんは、ついこの間交通事故で亡くなった。
「アタシ、おばけだもん」
有明さんは僕の前に化けて現れたのだ。
高校の部活の帰りにこの公園で有明さんを見かけて一目惚れした。僕はサッカーボールを蹴りに、彼女は犬の散歩に来ていた。僕の家は少し遠いが彼女はこの辺に住んでいるらしい。
「有明さんの言った通りだ」
膝元に置いた頭に話しかける。頭から返事はない。
膝元に置かれているのは、サッカーボールだ。
ついこの間は、ついこの間でなくなってしまったから。
「脚、治ったよ」
あの時化けて出た好きな人の頭は、柔らかかった。
濡れたサッカーボールを袖で拭いた。
「痛くないの?」
「ぜんぜん」
どちらかというと僕の心の方が痛かった。
有明さんは柔らかく笑う。
「人の頭だけは蹴るなって父さんによく言われたのになぁ」
「別にいいじゃない」
隣のクラスの有明さんは、ついこの間交通事故で亡くなった。
「アタシ、おばけだもん」
有明さんは僕の前に化けて現れたのだ。
高校の部活の帰りにこの公園で有明さんを見かけて一目惚れした。僕はサッカーボールを蹴りに、彼女は犬の散歩に来ていた。僕の家は少し遠いが彼女はこの辺に住んでいるらしい。
「有明さんの言った通りだ」
膝元に置いた頭に話しかける。頭から返事はない。
膝元に置かれているのは、サッカーボールだ。
ついこの間は、ついこの間でなくなってしまったから。
「脚、治ったよ」
あの時化けて出た好きな人の頭は、柔らかかった。
濡れたサッカーボールを袖で拭いた。
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公開:20/04/02 22:41
書いたり喋ったりする金髪ギャルのひとです。時空モノガタリ出身。
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