バトルロイヤル家族

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「なんの冗談だ」
「分かるでしょ。お金が必要なのよ」
「だからって、母さんも弟も殺したのか」
「そうよ。だけどこの賞金で私は新しい家族を作るの」
「狂ってるよ。お前も俺もあいつも」
「言いたいことはそれだけ?じゃあね、お兄ちゃん」
女はそう告げて引き金に手をかけようとしたが、指が震えて眩暈に襲われる。
「神経毒…!いつの間に仕込んだのよ」
「すまない妹。俺にはまだやるべきことがあるんだ」
長きに渡るゲームは決着を迎え、そこで映像は途切れた。

 それを見て老人は満足そうに笑う。愛情をかけて育てた肉親の間で殺し合いをさせる。これ以上の贅沢はないだろう。
「最高の肴だ。もっと酒を持ってこい」 
だがノックして入って来たボーイは銃口を差し出した。
「儂を殺せば賞金は出んぞ!」
慌てる老人の口元に、男は銃を突っ込んで言った。
「ボケたこと抜かしてんじゃねえぞジジイ。代金はお前の遺産で払ってもらう」
その他
公開:20/04/01 18:07
更新:20/05/05 16:52

はつみ

現実世界の2次創作
誰かに教えたくなるような物語を書きたいです

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