情報愛

繰り返しパソコンの画面を覗き込んだが、落胆するのみだった。助けを求めてSNSに書き込むも、無知なのにアドバイスしたい人の返信が、３つ来るだけだった。
としえは好きで暮らし始めた男が自分の金を持ち逃げしてしまったことは、誰にも言えずにいた。
今までのとは違う4つ目の書き込みを確認した。


ハンドルネーム〈うさぎ〉
「あなたのような被害者が集まるグループがあります。さらに各自治体には相談窓口があります。ウィメンズサークルに連絡を」

としえはすぐに地元の窓口を検索して、なんとか支援者を見つけ出した。

知っている人にはなんてことない情報だが、求めている人のもとへはなぜかそれはやってこないことが多い。


うさぎは、情報アクセス疎外研究員で、論文を書いている。ネットに情報はいくらでもあったが、検索でたどり着けない。いくらIT技術が進歩しても誠実情報不足警報ランプは、ずっと点灯していた。