0
1

「ねえ、加藤君?」
「なんだい?」
「君の家族って裸族なの?」
「なんで?」
「さっき、廊下で裸の女性に「こんにちわ」って挨拶されたんだ」
「ああ、それはきっと姉さんだよ。彼女は面倒臭がりだからね。また、玄関から風呂場まで衣類を脱ぎながら向かったんじゃないかな」
「へえ~、そうなんだ。それじゃ、あそこのリビングにいる人達は?」
「ああ、あの中央にいる人は僕の兄さんだよ。ああ見えても画家を目指しているんだ。まあ、お金がない時は、ああやって仲間達の前でヌードモデルのバイトもやっているんだ」
「ねえ、この家に来た時から気になっているんだけど、奥の部屋から聞こえるギー、ギーと言う物音は一体、何だい?」
「ああ、あそこは両親の寝室だよ。毎晩、全裸で激しいプロレスごっこをやっているのさ。まあ、そのおかげで夫婦喧嘩の一切無い、ストレスフリーな毎日が送れるよ。なんなら、鈴木君の家でもやってみたら」
公開:20/04/01 14:41
更新:20/04/01 14:43

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容