元気の出る嘘

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「痛って~…」
『どうしたんだよ、その怪我?何があった?』
「サルモ木から落ちた…」
『サルモ木?』
「お前、サルモ木知らないのか?」
『ああ、何だそれ?』
「サルモ木はモン木ーやウッ木ーなんて呼ばれてもいる木でな、こいつは人を酔わせる香りを出すんだ。それを嗅ぐと猿みたいに顔が赤くなって木に登りたくなってくるんだ」
『その結果、木から落ちたってわけか』
「ああ、馬鹿な話だろ?笑ってくれよ」
『本当にバカだな。サルモ木?今からその木、見に行こうぜ!』
「いいぜ!と、言いたいところだけど残念でした!今日はエープリルフール!俺の怪我もサルモ木もみ~んな嘘さ!」
『嘘かい!』
「…お前、彼女にフラれて落ち込んでいたって聞いていたけど大丈夫そうだな」
『ああ、もう大丈夫だ』
「ところでその頬はどうしたんだ?」
『さっきアントニオ猪木に元気を注入してもらったんだ』
「嘘だろ!?」
『いや、マジな話だ』
公開:20/04/01 19:24

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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