中家族料理

家庭とは一つの国家であると私は考える。中流家庭の我が家は小さくとも国家である！故に我ら志高くなくてはならない！
そう家族に言い聞かせる私は餃政担当である。我が家の法律を立案しては餃子の皮に包んで家族に食べさせる。近隣諸国家族の皆さんを呼んでは餃子パーティを開き条約と協定を結ぶ。それが私の仕事だ。
子供達は司法籠包を担当している。夫婦喧嘩が勃発した際、法を適用し、これを裁定する役目である。「お小遣いを上げてほしい」「遊びに連れてって」小さな宣言を小籠包に包み私達に食べさせる。中々のやり手だ。
夫は立法担当である。家族会議を開き、あれこれと提案するがその実現率は低い。中華まん理職の夫は会社でも家でも板挟みにあう宿命なのだ。昔は熱い男だったが今では冷めきっている。それでは誰も手をつけまい。
だが私は知っている。内に秘める熱き肉汁は迂闊に触れると火傷する。
そう、夫こそ我が中家族料理の主役なのだ。