立て籠もり対策委員会

「いい加減に出てきなさい。母親も泣いているぞ」

「お前達の言葉は信じられない。俺は絶対にここから出ないからな」

「彼はこう言っていますがどうしますか、委員長」

「うむ、そうだね。ここは一旦、彼の要求を飲んだ振りをして油断した頃に強硬突破をしてはどうだろうか」

「しかし、彼は我々の秘密情報を握っています。もし、取り押さえる際にパソコンからマスコミに流出させたら大変なことになりますよ」

「それは事故に見せかけて暗殺した方が良いと」

「それもまた秩序を守るためには必要な事かと」

「人質はどうする？」

「誰か、代わりを出しましょう」

「誰にする？」

「良い人物がいます」

「それは誰だ？」

「あなたです」

「えっ、俺。何で、俺なの？」

「だってあなた、引き篭もりのプロなんでしょ。立て籠もりも引き篭もりも似た様なものです」

「理不尽だ」

「世の中は理不尽で出来ています」