水溶性マンガ

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 ある漫画家が、どうすれば人気作品を描けるのか必死に頭をひねっていた。
 自分では傑作だと思っているのだが、世の中にたくさんのマンガが溢れすぎていて、誰も自分の作品に気づいてくれず、もどかしい気持ちでいっぱいだったのだ。
 ふとテレビを見てみると、トイレットペーパーの買い占め騒動が起きていると報じていた。そこで、彼はトイレットペーパーに自分のマンガを印刷して販売することにした。
 彼の思惑通りマンガは飛ぶように売れた。
 念願が叶ったのも束の間、彼は交通事故で亡くなってしまった。

 やがて騒動が収まると、街中やネットで奇妙な噂が飛び交うようになった。トイレットペーパーに描かれていた誰かのマンガがとても面白かったのだが、まだ現物を持っている人はいるだろうかと。
 ところがその時には既に彼のマンガは全て水に溶けて流されてしまっており、誰も詳細を思い出せないまま、やがて忘れられてしまった。
その他
公開:20/03/30 22:53

水素カフェ( 東京 )



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小説家になるために文章の勉強をしたいと思っています。
もし何か気が付いたことがあれば、どんなことでも教えて下さい。
よろしくお願いします。

小説のジャンルとしては、ミステリやホラーを目指していますが、
ここではあまりこだわらずに書いてみようと思っています。

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現在、小説塾の第四回課題作品を執筆中。(進捗率60%)



タイトル『分解』 (原稿用紙20枚)
https://sakka.org/training/?mode=view&novno=17923
数学に熱中する青年が、異性への恋心に気づくまでの心模様を描いた作品です。

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