黄色いニワトリ

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「コケコッコー」

 ニワトリ小屋から、高らかなニワトリ達の鳴き声が響き渡る。しかし、黄色いニワトリだけは、羽をバサバサと動かすだけで、一向に鳴かなかった。

そんな黄色いニワトリに一羽のニワトリが突っかかる。

「おめー、なんで鳴かねえの?」

「僕は鳴きたくないから鳴かない。」

「なんだそれ? 外見の色も中身もヒヨコじゃねーか」

「じゃあ、君はどうして毎朝同じ時間に鳴くんだい?」

「ヒヨコからニワトリになったら、鳴かないといけねえの!」

「やらなきゃいけない事をやるのが大人? やりたい事をやるのが子供? それって、大人になるにつれ選択肢が増えていく中で、出来る事だけを選択する様になった言い訳じゃないの? なら、僕はヒヨコのままでいいや。この羽を使ってどうしても、飛びたいからさ」

 黄色いニワトリは、今日も周囲に染まらない。自分の色で、いつか大空を羽ばたく、その日を夢見て。
ファンタジー
公開:20/04/01 11:39

恋するメンチカツ( 兵庫県 )

多くは語らぬ世の情け、見て感じ取り、考えよ!
次世代喜劇の執筆家、恋するメンチはカツの味!
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