夢犬
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私は一週間前に愛犬のハルを失ったショックでふさぎ込んでいた。
それからというもの、ハルの夢を見るようになった。自然に目が覚めるまで、ハルと散歩したり追いかけっこしたり取ってこいをして遊んだりした。
「仕事で失敗続きだし、家に帰っても出迎えてくれる人もいない。それに比べてこの夢はなんて楽しいのだろう」
気持ちに整理がついたら、きっとこの夢も見なくなるのかな。そう思う私の気持ちとは裏腹に、夢の内容はどんどんリアリティーと鮮明さを増していく。
逆に現実世界は色あせていき、私の心は疲弊していった。
私はすり寄るハルをなでながら
「私、このままこっちで暮らしたいな」
とつぶやいた。ハルは意味を理解したのか、していないのか、嬉しそうに遠吠えを上げた。
「でも、いつまでもあなたに甘えてちゃだめだよね」
初めて自分の意志で目を覚ました。
その時、枕の上で黒い犬型の何かが舌打ちをして消えた。
それからというもの、ハルの夢を見るようになった。自然に目が覚めるまで、ハルと散歩したり追いかけっこしたり取ってこいをして遊んだりした。
「仕事で失敗続きだし、家に帰っても出迎えてくれる人もいない。それに比べてこの夢はなんて楽しいのだろう」
気持ちに整理がついたら、きっとこの夢も見なくなるのかな。そう思う私の気持ちとは裏腹に、夢の内容はどんどんリアリティーと鮮明さを増していく。
逆に現実世界は色あせていき、私の心は疲弊していった。
私はすり寄るハルをなでながら
「私、このままこっちで暮らしたいな」
とつぶやいた。ハルは意味を理解したのか、していないのか、嬉しそうに遠吠えを上げた。
「でも、いつまでもあなたに甘えてちゃだめだよね」
初めて自分の意志で目を覚ました。
その時、枕の上で黒い犬型の何かが舌打ちをして消えた。
ファンタジー
公開:20/03/31 20:38
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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