夢たんぽ

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冬の寒い日、友人が小判の様な物を手の中で転がしていた。何それ?
「ゆたんぽだよ」
ゆたんぽ?ああ、中にお湯を入れて温まるあれね。
「ちょっと違うよ。これはお湯の代わりに中に夢を入れる夢たんぽなんだ」
夢?
「そう。心が温かくなるような夢。例えば今日の漢字の小テストで100点取るぞ!とか」
えっ?今日って漢字の小テストあったっけ?
「例えばだよ。まあ、そろそろだと思うから勉強しておいたほうがいいよ」
そっか~。で、そんな小さな夢で温まるものなのか?
「これは小さいからね。大きな夢たんぽならもっと大きな夢を入れなきゃ温まらないんだ」
大きな夢か…大統領になるとか?
「それは大きすぎるよ。でも、夢は大きいほうが温まりやすいよ」
そっか~。じゃあ、俺が取っておきの夢を大きな夢たんぽに入れてやるよ。
「どんな夢?」
俺とお前、最強のバッテリーで世界の野球界を席巻する夢だよ!
「それは凄く熱い夢だね」
青春
公開:20/03/28 19:00

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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