あの世で酒を飲む

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ジェームズに連れられ虹の橋を渡る。どうやら俺は天国に来たようだ。
「ようシムラ。一番若いおめぇが最初に来てどうする?」
長さんがため息交じりに俺を出迎えた。俺はとっさに逃げ出してしまった。

「…で、ここに辿り着いたのさ」
『おにーさん、ここ地獄だよ?天国から地獄に来た人なんて初めて見たよ』
ここが地獄?いやいや、角の生えたチャンネーは美人だし酒は美味い!ここが極楽と言わずして何を言う!
『しっ…シムラ後ろ!』
チャンネーが叫ぶ。ほろ酔いで振り向くとそこには黒タイツで鬼の恰好をした長さんがいた。
「まったく…手間とらせやがって…」
長さんは俺の隣に座ると鬼殺しを頼んだ。
「で、どうだったよ?おめぇさんの人生?」
「…いい、人生でした」
「そうか…」
二人、静かに酒を飲む。
気がつけば長さんの隣に注さんもいた。
そうか…俺達いつの間にか、こんなにも上手に酒が飲めるようになっていたんだな…
公開:20/03/30 19:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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