弾一つは屋敷一軒

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 その国の上層部では弾一つの価値は一軒の屋敷と等しい言われていた。そんな国の屋敷に住んでいるバレットは豪勢な食事の数々に舌づつみを打っている。
「うーん、美味しい!」
 彼の生まれは奴隷だった。しかしあれよあれよという間に何故か貴族と同じような生活を送ることができるようになっていた。彼は肥えた腹を揺らしながら笑う。
「ほんっと、僕って運がいいなあ」
 当初、彼は何故このような生活ができるようになったのか疑問に思っていた。だが使用人達に聞いてもはぐらかされる。やがてその疑問は時間とともに消え去った。今では幸せな生活が送れればいいや、と思っている。
 だがある日、バレットは普段使われていない部屋の前で聞いてしまった。
「明日は戦争だ。弾の準備は万全か」
「ああ。バレットを弾として打ち込む計画に支障はない」
「デブの方が威力が高い。明日は悟られずに連れてこいよ」
 それは使用人たちの声だった。
ホラー
公開:20/03/30 15:59

サァモンチップ

小説の構成の練習はショートショート小説でするのが良い、と聞いたのでチャレンジしてみることにしました。
もし何かおかしな所があれば遠慮なく突っ込んで下さい。
よろしくお願いします。

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