時計のつぶやき

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午前二時。残業を終え帰宅し、鏡の前でメイクを落とす。
今日も仕事だ…それを考えるとこのまま眠ってしまいたいがせめて化粧くらいは落としておかないと朝が大変な事になる。あ~あ、憂鬱だなぁ…
『お前の願い、何でも叶えてやろう』
鏡からそんな声が聞こえてきたと思ったら悪魔が出てきた。
どうやら私は相当疲れているようだ。スーツのまま布団に倒れ込んだ。
『ちょっとちょっと!寝ないでよ!ほら、俺悪魔!何でも願いを叶える悪魔!何か反応してよ!』
そう言えば午前2時に鏡を見ると悪魔が出てくるなんて都市伝説聞いた事がある。
しつこく話しかけてくる悪魔に対し私は時計を指さした。面倒臭くて電池を変えていない時計はPM2:00で止まっている。
それを見た悪魔は時計の電池を交換し、『また明日出直す』と言ってきた。
残念。その時計は壊れているんだ。電池を入れ直してもぶつぶつと呟くような音がするだけで絶対に進みはしない。
公開:20/03/27 18:24

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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