ドリーム・トレイン

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綺麗な満月の輝く夜、子供だけが乗れる機関車がある。
その名もドリーム・トレイン。夢の中でしか乗れない不思議な列車。私はその車掌を勤めている。

この列車のルールは3つ。
「時間厳守・持ち帰りは厳禁」
乗客へはたったこれだけである。

今日もまた、たくさんの子供たちが乗車した。
子供の笑顔と夢のためなら、列車はどこへでも行く。
そして今回の行き先は、動物園、遊園地、宇宙など様々だが、1つ異様なものが混じっていた。

「次は~鬼、鬼です。乗車時間は厳守してください」

はぁーい!とワクワクしながら降りる子供が1人。下車時間を守るどころか追いかけ回されている。
車内であれば私に力があるが、外では私も子供の1人にすぎない。
そしてあの子は鬼に捕まったと思ったら姿を消した、きっと親に起こされたのだろう。
危険な世界には二度と近寄らない、3つ目のルールだ。

鬼の切符を破り捨て、再び列車は出発した。
その他
公開:20/03/27 14:45

べね( 千葉 )

私の作品を読んで頂きありがとうございます。

趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。

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