271. 夕焼けおでん

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残業した帰り道、とぼとぼと歩いていると、いつも通る公園の一角が灯っており、おでんの屋台が出ていることに気が付いた。
(おでんかぁ。食べたいけど…)そんなことを考えていると、
「夕焼けおでんあります」
という文句が目に入った。
そんなのは見たことも聞いたこともない。
近寄ってよく見てみると、綺麗な夕陽と玉子や牛スジなどのおでんがイラストで看板に描かれていて、気になったので寄っていくことにした。

「あの、夕焼けおでんって何ですか?」
「お客さん初めて?今日の夕焼けを出汁にしたおでんだよ!天気良かったから」
そう言うとおでん鍋を指差した。
普通の出汁より茶色…というより橙がかった色をしていたが旨そうだったのでお任せで数本、ビールと共に出してもらった。
一口二口齧っていくと、感動と共に何だか元気が漲ってきた。

「この鍋にたっぷり夕陽を当ててるだけ。夕焼けって癒しと疲労回復の効果があるからねぇ」
ファンタジー
公開:20/03/28 17:40
更新:20/03/30 00:37
スクー 夕焼けおでん 茶色いうみ

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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