アリさんの世界

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散歩中に蟻を踏みそうになり、転けて手を擦りむいた。
何処から「私のためにケガをさせて申し訳ありません。傷の手当をしますので、家に寄ってください」と聞こえ、見ると先程の蟻が心配そうに私を見てる。
ついて行くと、私の身体がまるで蟻の様に小さくなった。巣穴から縦坑を降りて行くと、枝分かれに横坑があり各部屋が在るようだ。
客間に通され、直ちに衛生班が呼ばれ治療に掛かった。傷口を丁寧に舐めてくれた、唾液には抗生物質が含まれており痛みも直ぐに引いていった。
先程の蟻が「湿度が上がっており、雨が降ると思いますので急いでお帰り下さい。」と出口まで送ってくれた。「雨が降ったら大変でしょう?」
と尋ねると「巣穴入り口は、兵隊蟻が貴方が外に出られたら直ぐに塞ぎます。それに一番真下には雨水プール室が有り、横坑の各部屋には浸水しない様に設計されています。」と。

お礼を言い、外に出ると私は元の大きさに戻っていた。
ファンタジー
公開:20/03/28 15:50
更新:20/03/29 10:23

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