おしゃれ自助グループ

ヒトミはまた例の場所に訪れた。
ここ、おしゃれ図書館ではカラーリングや利き手のネイル、ヘアセットを相互に助け合うこともある。知らない人同士でも、ふらりと訪れて協力し合う。寄付が多くあり、0￥ショップとして併設していて、一日5つまで好きな服や雑貨をもらえる。
「次はどんな服を借りようかな。」
ヒトミはネットで図書館の服を検索した。蔵書がなく予約カードで購入してもらえるそうだ。

図書館の三階では服職人がせっせと服を作っていた。訪れた人は少しだけその様子を見学できた。

ボタン付けや、古い機械を使う機織りなどの職人がいなくなってきていたので、ここで多くの人が学んで働き始めた。縫製や刺繍は目が悪くなる仕事なので早めに引退する。フランスのバレリーナのように、年金も早くもらえる制度もできたので、安心して従事できるという。

ヒトミはシャネルのドレスのパターンと縫製の仕方の説明書を取り出した。