金でできたゲレンデ
6
5
彼氏とスキー場に来た。ただのスキー場ではない。ゲレンデがお金で出来ているのだ。滑るたびに紙幣が舞い、スノーボーダーが華麗に技を決めると、硬貨が光を反射しながら美しく飛び散る。
彼はお金持ちの息子だった。それを知ったのは付き合い始めてしばらく経ってからで、以降、やたら金遣いが荒いところが目に付くようになった。
このスキー場は限られた人しか知らない秘密の場所なんだそう。嬉しそうに話す姿が脳裏にこびり付いている。悪い意味で。
ずっとムッとしていても仕方ないので、リフトで昇っていざ出発。そのタイミングで。
「ちょっと向こういかない?」
彼が指さしたのはコース外。
「ダメでしょ」
「大丈夫、大丈夫」
私が止めるのを聞かず、一人で勝手に滑り始める。すると。
ずざざざ!
紙幣が雪崩を起こして彼を巻き込む。
「助けてー!」
全くもう、それが金の重みだよ。
そう思いながら助けを呼んだ。
彼はお金持ちの息子だった。それを知ったのは付き合い始めてしばらく経ってからで、以降、やたら金遣いが荒いところが目に付くようになった。
このスキー場は限られた人しか知らない秘密の場所なんだそう。嬉しそうに話す姿が脳裏にこびり付いている。悪い意味で。
ずっとムッとしていても仕方ないので、リフトで昇っていざ出発。そのタイミングで。
「ちょっと向こういかない?」
彼が指さしたのはコース外。
「ダメでしょ」
「大丈夫、大丈夫」
私が止めるのを聞かず、一人で勝手に滑り始める。すると。
ずざざざ!
紙幣が雪崩を起こして彼を巻き込む。
「助けてー!」
全くもう、それが金の重みだよ。
そう思いながら助けを呼んだ。
ファンタジー
公開:20/03/27 12:00
スクー
金でできたゲレンデ
たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!
ログインするとコメントを投稿できます