夢マスク

「はぁ～、今日も不採用かぁ～。携帯のメールは全部、お祈りメール。そんなにお祈りされても困るんだよな。はっ、もしかして、こんな大勢の人からお祈りされるって事は、私、自分で気付いていないだけで実は神様なんじゃ、なんてね」
「お困りの様ですね」
「あなたは？」
「私は黒猫商会のミサと申します」
「そのミサさんが私に何の用でしょうか」
「実は御社でこの商品「夢マスク」を開発したのです。道行くあなたを見かけて私、ピンときました。この商品のモニターにピッタリだと。勿論、謝礼を出しますよ」
「やります。今月、家計がピンチなので」

「ええと、これを被れば良いのよね。あっ、何か見えて来た。あれは私の憧れ、未来商社だわ」

「高橋さん、プレゼンに使うから今日中にこの書類を纏めておいて」
「高橋、俺の代わりに面接官やってきて」

（あなた、こんなブラックな会社に入るのは辞めておきなさい）
お祈りメール、送信