茶色いシーサイド地獄

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 未来よりもっと未来。ついに地獄の沙汰にまでAIが導入されると、暇を持て余した閻魔大王が浮世へ遊びにいくようになった。
「おい、そこの鬼」
「はい閻魔様」
「ワシちょっとバブル時代の銀座視察してくるから留守番しといて」
「また不二子ママの店ですか…」
「好きな地獄1こ作っていいよ」
「え?」
「何でも好きな地獄作れ」
「いってらっしゃいませ!」
 そして【茶色いシーサイド地獄】が生まれた。

「フ、フゴオオオ」
「ククク、苦しいか、ほれ」
 鬼が亡者の口にひたすらチャーハンを詰め込んでいく。目の前には見渡す限り、中華屋のチャーハンについてくる茶色い中華スープの海。鬼の大好物、そして全人類の夢だ。亡者はチャーハンを喉に詰まらせ、スープを飲みたくて堪らない!
「ぷはぁ、美味い! お前にはやらんが」
「グ、グホァ」
 この亡者は生前、中華屋で定食についてきた杏仁豆腐を残した罪でここへ落とされた。
ホラー
公開:20/03/27 06:25
スクー 茶色いうみ

10101298

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