中東へ

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中東への出張は砂漠上空を移動し、眼下には波紋状に広がった砂漠ばかりが続いた。ホテルでのチェックインの用紙には宗教欄があり、無宗教者は軽蔑されると聞いていたのでBuddhistと記入した。部屋は3階でエレベーターもルームナンバーも表記はアラビアインド数字のみで分からづフロントに聞きに戻った。
雨は年に一度位で民家の雨樋や排水溝も無かった。街路樹には淡水化された水がローリー車で散水される。

昼間は仕事はせづ自宅で昼寝するらしく、商店や会社も数時間は休みになっていた。
商談相手も不在だったので、再出勤してくる夕方に出直したが、話は不調に終わりがっくりして戻った。部屋には仄かな明かりが灯いており、入るとランプらしき物が宙に浮き「遠くのこの地に良く来てくれた、お前の願いを叶えてやろう」と。
商談が上手く行く様お願いすると、突然電話が鳴り「考え直した、あの条件で成約しようと」と申し入れがあった。
ファンタジー
公開:20/03/24 11:47
更新:20/03/25 09:07

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