2
4

幼い頃、父が私にこう言った。
「無理する事はない。お前は身の丈に合った仕事をしなさい」
だから、私は身の丈に合った炭鉱堀りのバイトをした。
狭いトンネルを行ったり来たりして石炭を運ぶのだ。
だが、それも時代と共に炭鉱は閉山に追いやられた。

数年後
私は再就職をした。
勿論、父の言いつけを守り、身の丈に合った仕事をしている。
それはマンションの解体作業員。
こんなことを言っては何だが、実に割りの良い仕事である。
まず、解体するマンションの前に立つ。
そして、あとは瓦割りの要領で腕を振り降ろし、上から下までパカッと割るか、足でグシャッと踏み潰せばいいのだ。
ただ、それだけなのに給料が良い。
父の言っていた事はやっぱり正しかったのだ。

そんな事を続けているとある日、街でスカウトされた。
「僕らと一緒に地球を守ってみないか。君なら絶対にヒーローになれる」
こうして私は地球を背負うことになった。
公開:20/03/24 05:28
更新:20/03/24 05:32

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容