黄身が願った事

「もう、嫌だわ。こんな寒くて暗い所。はぁ～別の何かになりたい」
黄身が嘆いていると
「その願い叶えてあげましょう」
「あ、あなたは？」
「神様だ」
「ははあ～、上様」
「だから、神様。カ・ミ・サ・マ」
「ははあ～、失礼しました。お殿様」
「いや、だからね。わし、神様なの。分かる」
「なんだ、おかみさんか～」
「急に口調が軽くなったな、おい」
「女将、この私に何の用じゃ。許す、言うてみよ」
「ははあ、黄身様に置かれましては益々、ご健康なご様子、我々一同、嬉しく思います。それがし、天に籍を置きます神と申すものであります」
「うむ、それで？」
「御方がわたくしめに祈願した案件を叶えるため参上仕りました」
「ほお、お主が私の願いを」
「ははあ、別の何かに変えるには名前が必要です。失礼ですが黄身の名は何と言うのでありましょうか」
「君だと！！無礼者。拙者を愚弄する気か。皆の者、出会えい、出会えい」