Moonstruck II 〜月の寝静まる夜に

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いくら考えても何も浮かばず、とある賞の応募を諦めかけた。
あれは二月の満月の夜。
突然、枕元に物語が降ってきた。
一晩中話しまくった物語は、さっさと月に帰っていった…と思いきや、次の夜もやってきた。
「昨日の続きだけどね」
…おい、何も続きになってないぞ。

ここが気に入ったのか物語は月に帰らず、一日中私の傍らで話し続けるようになった。

―再び満月を過ぎた頃、私は何とか最後まで書き上げた。更に二稿、三稿と進むにつれ、物語の口数は次第に少なくなっていった。
そして昨晩、月がくれた物語は無事校了を迎えた。

「これ、いい線いくと思う?」
物語は久しぶりに口を開いた。
「さあ、そんなことは知らない。でも君は私の話を全て掬い取って形にした。それが大事なんじゃないのかい?」

そして物語は月に帰っていった。
でも残念ながらその姿を見送ることはできない。
何故かって?
だって昨夜は新月だったからさ。
ファンタジー
公開:20/03/25 11:45
更新:20/06/24 20:06
拙作Moonstruckの続編 月って不思議 私にしては長い物語 大変だったけど楽しかった

秋田柴子

2019年11月より、SSGの庭師となりました。
現在SSから長編まで幅広く書いております。

【活動歴】
・東京新聞300文字小説 優秀賞1回 入選2回
・SSG 空想競技コンテスト 入賞
・『第二回日本おいしい小説大賞』最終候補(小学館)
・SSマガジン『ベリショーズ vol.5,6,7,light』掲載(Kindle無料配信中)
https://www.amazon.co.jp/dp/B096821HSW

【近況】
 いろいろ書いてます(笑)

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