トランジスターラジオ製作

小５の頃「ラジオの製作」と言う月刊誌を立ち読みし、実際に部品を買ってトランジスターラジオを作ってみたくなった。東京では秋葉原が有名だったが、私の田舎では「中央無線」と言う屋号の電気屋が唯一部品の小売りをしており、自転車で買いに来る小・中・高生で賑わった。

トランジスター・コンデンサー・抵抗・コイル・バリコン・スピーカー・電池等全部を一時に買うには小遣いが足らず何ヶ月計画だ。
前から鉱石ラジオは作っていたので半田コテ等は持っていた。
苦労を重ねバリコンを放送局の周波数に合わせ音が聞こえた感激は今でも忘れない。

「とんち教室」や「三つの歌」等の馴染みの番組も楽しむことが出来た。
電源は電池なので自由に持ち運びも出来、得意げに歌謡曲等を聞きながら自転車で走っていると、放送が突然途切れ「ラジオが作れるなんて、大きくなったねー」と私が小１の時に亡くなった祖母の嬉しそうな懐かしい声が聞こた。