交差点と酔狂な神 完

己を改めよう、と周りを冷静に見て、今までの考えを変えた。
誰もが大変で辛い、でもそれを周りにましてやお客様に見せてはいけない、仕事なんだから。
私は周りと距離をとりすぎて見えていなかった、現実に戻ったら驚かれるかもしれないけど周りの輪に入っていってみよう。
時間は夕方、昨日の帰り時間と同じ、石階段を駆け上り社に着く。
「どうだった……ってのは聞くまでもないか、なかなか為になったろ」
「ええ、それはもう充分に為になりましたよ、だから元に戻して下さい」
「あいよ、寝て起きたら元通りさ。あ、戻ったらこの水鏡の神に賽銭のひとつくらい寄越せよな」
絶対だぞ、念押しされた所で意識がなくなった。
目覚まし時計の音、いつもの朝、よし、今日から笑顔で頑張ろう！