男の職場 -SSG ver-
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男がビルを見上げている。
20階を境に下層にはテナントが、上層にはベンチャー企業が多数ひしめき合う複合ビルだ。
男はビルに入りエレベーターの前に立った。ちょうど到着した女性専用エレベーターが沢山の女性を吐き出し、待っていた女性達を飲み込んでいく。
男はそれを横目に見つつ眼前のエレベーターに潜り込み、最も高い30階を目指した。今日の職場はここなのだ。
ドアが閉まり始めた時、1人の青年が滑り込んできた。目指すものは一緒なのだろう――ボタンを押す気配はなかった。
ドアが閉まりエレベーターが揺れ動く。
重苦しさが増す空気を払拭するように男は静かに青年に話しかけた。
「どちらですか?」
「……多分、同業者かと……」
やはりそうか――確信を得た男はそのまま口を閉ざした。
何事もなく30階に到着した2人は仕方なく1階を更に目指した。
痴漢専用エレベーターに乗ってくる女性は今日もいないようだ。
20階を境に下層にはテナントが、上層にはベンチャー企業が多数ひしめき合う複合ビルだ。
男はビルに入りエレベーターの前に立った。ちょうど到着した女性専用エレベーターが沢山の女性を吐き出し、待っていた女性達を飲み込んでいく。
男はそれを横目に見つつ眼前のエレベーターに潜り込み、最も高い30階を目指した。今日の職場はここなのだ。
ドアが閉まり始めた時、1人の青年が滑り込んできた。目指すものは一緒なのだろう――ボタンを押す気配はなかった。
ドアが閉まりエレベーターが揺れ動く。
重苦しさが増す空気を払拭するように男は静かに青年に話しかけた。
「どちらですか?」
「……多分、同業者かと……」
やはりそうか――確信を得た男はそのまま口を閉ざした。
何事もなく30階に到着した2人は仕方なく1階を更に目指した。
痴漢専用エレベーターに乗ってくる女性は今日もいないようだ。
その他
公開:20/03/22 15:00
更新:20/03/22 18:48
更新:20/03/22 18:48
ショートショートや短編小説、推理小説辺りが大好物。今はホラーやミステリー、SFにはまり気味。完全趣味で小説を書き始めたんですが、短いものだけでも発表しようかなと3月18日より投稿開始。皆さん宜しくお願いします。
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