エレベーター

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「すいません。乗ります。はぁ~、間に合った」
「エレベーター、閉まります。このエレベーターは奈落の底、直通です」
「えっ」
「ワイヤー、切断します」

ヒュ~~~、ガッシャーン

こうして私は奈落の底、到着と同時に天国へ向かう事になった。

「すいません。乗ります。ハァ~、間に合った」
「どちらまで」
「天国までです」
「へぇ~、若いのにね」
「ええ、急な展開で。参りましたよ」
「えっ、あなたもですか。実は私もなんですよ」
「あなたも。奇遇ですね。ちなみに差し支えなければその理由を教えて下さいよ」
「いや~、大したことありませんよ。朝、会社に行ったら掲示板に辞令が下りていましてね。【右の者、明日から天界勤務を命ず】って言うんですよ。いや~宮仕えは大変です。急いで転勤の準備ですからね。全く、てんてこ舞いです」
「ははん、でも、本当の所は昇進で天にも昇る気持ちでしょ」
「分かりますか」
公開:20/03/22 14:43
更新:20/03/23 10:24

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