交差点と酔狂な神

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仕事終り、いつもの帰り道、交差点の信号待ち。
「本当、人生嫌になる」
そう呟いて、青信号を渡る。すると、一瞬辺りが光りに包まれたように思えた。
翌朝、いつも通りに出勤する……はずだった。おかしい、誰も私を認識していない、自分だけ世界から取り除かれた様だ。
混乱する頭を必死で落ち着かせ考える、何か原因があるはずだ。
「昨日はふつうに帰ってきて……!」
あの交差点、あの光り、何かあると駆け足で水鏡通りに向かう、神社が近くにあって昔は神隠しとか噂になっていた。
交差点付近は特に変わった様子はない、神社はどうかと社に行くと賽銭箱の近くに酔っぱらいみたいなのが一人酒瓶を抱いて寝ている。
「はずれかぁ……」
落胆していると、男が喋りだした。
「来るの遅かったな……まぁ、いいけど、人生嫌になったんだろ?じゃあさ鏡の世界から他人の人生高みの見物ってのはどうだい?」
謎の男の酔狂過ぎる言葉に面食らった。
その他
公開:20/03/22 14:08

癒月連理( 岩手 )

2020.3.16にこの場所を見つけて、長文を書くのが苦手な私でもショートショートなら挑戦できるかなと思い、投稿を始めました。

このショートショートガーデンで書くことの楽しさを知る事ができました。
自分なりに色々文章を模索していきたいと思います。
作品を読んで気になった事がありましたら、是非コメントをお願いします、厳しいコメントもお待ちしています。

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