時計のつぶやき

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ウチの会社はAI技術の取り入れを率先して行っている。
受付嬢はアンドロイドだし、掃除はロボット任せ。人の仕事と言えば主に働くロボット達のメンテナンスだ。
おっと、続々とやってくる社員の中に今日も1秒の狂いもなく我が部署のエースが現れたぞ。
彼の名は安堂ロイド。最新鋭のアンドロイドだ。
その安藤がタイムカードを手にタイムレコーダーに差し込む。
『おはようございます。…今夜食事でも一緒にどうですか?』
タイムレコーダーの呟きに皆が注目した。
安藤と来たら何も答えず、デスクにつくと淡々と仕事を始めた。
その後、別の社員がタイムカードを押すと『おはようございます。今日も1日頑張りましょう』といつも通り、女性の機械音声が流れる。聞き間違いか?

その日の終業時、安藤はタイムカードを押すと「喜んで」と答え「部長、タイムレコーダーをお借りします」なんて言って持って帰りやがった。
聞き間違いじゃなかった!
SF
公開:20/03/23 18:35

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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