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新築五階、西の角部屋への入居日、内見の際にはなかった洗濯ロープがベランダに張ってあった。水色の新品だ。細かなサービスだなと思った。お隣は色白の二十歳くらいの男性で、タオルを渡すと無愛想に会釈をしてすぐ扉を締めた。
新たな日常に慣れた頃、私は、些細なことが気にかかっていた。それは洗濯物を干す度に感じる引っかかりと幽かな鈴の音だった。
今日こそ正体を突き止めてやろうと、洗濯物を干し終えた私は洗濯ロープをギュッと引き下げてみた。鈴の音がして、ロープに抵抗を感じた。改めてロープを見渡すと、東端がベランダの間仕切りを突き抜けていることに気付いた。自撮り棒にスマホをつけて隣を映すと、色白の男性が全裸で洗濯ロープを身体に……
慌てて自撮り棒を引っ込めた時、どこかぶつけてカンという音を立てた!
見られてないと思う……
が、次の瞬間、鈴の音と共に洗濯ロープがヴォォン、ヴォォンと激しく揺れ始めた。
新たな日常に慣れた頃、私は、些細なことが気にかかっていた。それは洗濯物を干す度に感じる引っかかりと幽かな鈴の音だった。
今日こそ正体を突き止めてやろうと、洗濯物を干し終えた私は洗濯ロープをギュッと引き下げてみた。鈴の音がして、ロープに抵抗を感じた。改めてロープを見渡すと、東端がベランダの間仕切りを突き抜けていることに気付いた。自撮り棒にスマホをつけて隣を映すと、色白の男性が全裸で洗濯ロープを身体に……
慌てて自撮り棒を引っ込めた時、どこかぶつけてカンという音を立てた!
見られてないと思う……
が、次の瞬間、鈴の音と共に洗濯ロープがヴォォン、ヴォォンと激しく揺れ始めた。
ホラー
公開:20/03/21 09:59
更新:20/03/21 11:11
更新:20/03/21 11:11
シリーズ「の男」
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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