野菜が逃げ出した話
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野菜が一斉に逃げ出した。食べられるためだけに生産されるのはゴメンというわけだ。
困ったのは各地のレストランだ。
前菜が出せなくなり、スープの仕込にも影響が及ぶようになった。
しかたなく、高級レストランはいきなりメインディッシュを出すようになった。
ある紳士は前菜が大好きだったので、食前酒の次に、いきなりメインディッシュを出されてがっかりした。
「もう出てくるのか」
オーナーは申し訳なさそうに頭を下げた。
「昨今の状況から、野菜の入手が困難となりまして。木になる果物であれば、逃げ足が遅いので、ある程度までは入手が可能なのですが」
「まあ、仕方がないか」
紳士は憮然とした表情で、メインディッシュにナイフを入れた。
「いきなりステーキか……」
このとき、彼の頭の中に新しいビジネスアイデアが産まれたことは、いうまでもない。
困ったのは各地のレストランだ。
前菜が出せなくなり、スープの仕込にも影響が及ぶようになった。
しかたなく、高級レストランはいきなりメインディッシュを出すようになった。
ある紳士は前菜が大好きだったので、食前酒の次に、いきなりメインディッシュを出されてがっかりした。
「もう出てくるのか」
オーナーは申し訳なさそうに頭を下げた。
「昨今の状況から、野菜の入手が困難となりまして。木になる果物であれば、逃げ足が遅いので、ある程度までは入手が可能なのですが」
「まあ、仕方がないか」
紳士は憮然とした表情で、メインディッシュにナイフを入れた。
「いきなりステーキか……」
このとき、彼の頭の中に新しいビジネスアイデアが産まれたことは、いうまでもない。
SF
公開:20/03/21 07:19
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