三人分の日

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ツイッターで拡散した、妙なシャレから始まったんだ。
『春分は三人分の日』
割引サービスでよくある、二個目は無料。これに更に一個上乗せしようって事。増税・緊縮・災害に病気、経営破綻。消費の落ち込みが激しく、販売小売業は少ない客足とさばけない在庫に泣いていた。
どうせ廃棄するなら。管理維持費が掛かるなら。一日限りの大盤振る舞いは、思いの外に当たった。低迷を続けた経済成長率が、ほんの少しだけど上向いた。

三人分の日は、ただ余分にくれるわけじゃない。文字通りの三人分――自分と、大事な人と、あと一人。いつもは考えない、誰かに渡す為のもう一個だ。
別に、それを証明しろとか宣言しろってわけじゃない。全部自分で使っても構わないんだけど、あと一人の誰かを、一日でも一瞬でも考えた時、人は案外優しく、案外幸せになれるもんらしい。



――という事で。
貴方の『あと一人』を、今ちょっとだけ、考えてみませんか?
その他
公開:20/03/20 21:17
2020年3月20日 春分の日に思う。

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.12執筆参加
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞。2022年6月アンソロジー出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞受賞

いつも本当にありがとうございます!

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