新宿・純喫茶「風月堂」

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一九六〇年代初頭、新宿に純喫茶「風月堂」があったが、その独特の雰囲気が評判になっていた。
進学で上京するや興味半分で風月堂に行ってみると、常にクラシックが流れており、二階席までの吹き抜けの大壁面には梅原龍三郎や林武らの近代絵画が掛けられていた。
また、寺山修司、三島由紀夫、岡本太郎、三國連太郎らも出入りしており、文化的空間があった。
学生たちも一人前風に芸術論を交わしながら何時間もコーヒー一杯で粘り、ある意味心の休息場でもあった。
だが、六〇年代も後半になると、全共闘時代の新左翼やヒッピー、フーテン族のたまり場となりオーナーは店を閉じた。

最近、新宿に行った時、跡地を探してみたら、昔のままの風月堂の姿がそこにあった。おかしいと思いつつも入り口のドアを開けてみると、昔の学生時代の懐かしい仲間もいたが、三島由紀夫らしき人物が全共闘の大学生と議論をしていた。
“正しい狂気といふものがあるのだ”
青春
公開:20/03/21 20:34
更新:20/04/08 08:51

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