病院の死神

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病院という場所柄か、私はよく死神を見かける。
死神は寿命を迎える人の傍に行くとその最期を看取る。そして魂を回収するのだ。
そんな死神が見えたという事は私もいよいよか…
私は難病に侵されている。手術をすれば治る病気ではあるが成功率は物凄く低い。だから手術を受けるか悩んでいた。
そうか…私は死ぬのか…なら手術が失敗して死ぬというシナリオのほうがいい。無駄に長生きして両親を苦しめるのも、私が苦しむのも嫌だ。
私は手術を受ける事にした。
その日、手術室の前に死神がいた。やはり今日が私の命日のようだ。

「手術、成功しましたよ」
担当医の言葉に驚く。
何で?私は手術が失敗して死ぬんじゃないの?
死神は近くで私の漫画本を読んでいる。
だから思い切って聞いてみた。
『お前さん、俺が見えるのか。偶にいるんだよな~、そういう人。えっ?お前さんの寿命?そうさな…正確には分からんがあと80年は生きるみたいだな』
公開:20/03/21 18:50
更新:20/03/21 20:56

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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