時計のつぶやき

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この春から一人暮らしを始める俺に両親が母時計と父時計を買ってくれた。
これを自分達と思って部屋に置いてくれ。母時計はベッドの隣に、父時計はリビングに。細かい注文までされた。
母時計は何かとうるさい。夜は早く寝なさい、朝は早く起きなさいと怒鳴ってくる。これじゃ実家にいる時と変わらない。
父時計は多くを語らなかった。しかし時折、頑張れよ…と呟くように言ってくる。
父時計はまだしも母時計は鬱陶しい。だが眠れない夜、ひっそりと歌ってくれる子守歌が好きで片付ける気にならなかった。母は厳しさと優しさの塊だった。
父時計は俺が行き詰っていると「話、聞いてやるぞ」と促してくる。そうだった。父は誰よりも俺の味方でいてくれた。父は広い心と大きな器で出来ていた。
母時計と父時計があるから俺は実家と同じように毎日を過ごす事が出来てる。毎日両親ありがたみを噛みしめている。
ありがとう。今度の休み、そっちに帰るから。
公開:20/03/21 18:34

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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