心の破片

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万華鏡、それはどの家庭にもある。
故人の数だけ存在する。
人の心は硝子の様で、脆く、破片は鋭利、時に触れた人を傷つける。
心晶と呼ばれる故人の心が結晶かされたものを、大抵は万華鏡に加工して家族が心の記憶を走馬灯の様に見ることができる。
心晶は色も固さも様々で、満ち足りた人生だった人はステンドグラスの様に華やかで破片が柔らかであったり、一方その逆の人は暗く淀んだ様で破片は鋭利であったりする。
鋭利な破片はそれだけ、尖って、心を頑なに固くして生きてきた、そんな証なのだろう。
自分の破片は一体どちらになるのかな……
その他
公開:20/03/21 17:40

癒月連理( 岩手 )

2020.3.16にこの場所を見つけて、長文を書くのが苦手な私でもショートショートなら挑戦できるかなと思い、投稿を始めました。

このショートショートガーデンで書くことの楽しさを知る事ができました。
自分なりに色々文章を模索していきたいと思います。
作品を読んで気になった事がありましたら、是非コメントをお願いします、厳しいコメントもお待ちしています。

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