心配かけるから会いに来て

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「は?」
「もう知らん」
返信に既読がつかなくなった。また始まった。

LINEを閉じて自転車を立ち漕ぎしてボロボロのアパートへ急ぐ。待たせたら何するか分からない。
アパート前の狭い道路にべちゃあって寝転がってるそれは本当に信じたくないけど私の恋人で。滅茶苦茶重い体を背負って3階まで運ぶ。

部屋はいつも通り汚い。ゴミ袋、ペットボトル、酒缶、服とタオル、虫の死骸、雑誌が玄関まで溢れ返ってる。圧迫されて狭い蒲団に寝かせると枕元にはひっくり返った灰皿の下に何日分かの薬の袋があった。

気持ち良さそうな寝息に腹が立つ。頰を叩くと寝ぼけながら何か言ってるけど聞き取れない。何でそんな幸せそうなの。
私が居なかったらどうなるんだ。てか寝顔ぶっさいくだな。
ねえ、私以外にこんな所見せないでよ。私だけ頼って愛して。他の女の手に負えないくらい駄目になって。何日洗ってないか分からない頭を撫でながら私も眠った。
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公開:20/03/19 01:12

k

にゃんこ〜

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