雪だるまの葬列

この国、雪だるま王国ではある厳守すべき決まりがある。
それは戦いに敗れた者を雪だるまにする決まりだ。
勝ったものはその国を統治し、負ければ雪だるまになる。
それは当然の決まり事と言えるだろう。
負けた事を根に持ち、謀反を起こされては困るからだ。
だから、街の中には王に挑戦した者、いや、雪だるまを至る所で見かける。
そのせいで王に挑戦しようとするものはいつしかいなくなった。
だが、ある時、国民の一人がこんな願いを王に嘆願した。
「このまま雪だるまを路上に立たせておくと車が通れなくて困ります。こちらで処分しておきますので私に撤去させて下さい」
王は「うむ、そうか、分かった」と快く了承した。
それから二か月後
撤去した雪だるまは全て火葬された。
そして、今は選挙用だるまとして再利用している。
火葬場で焼かれた時の火傷が完治しておらず、体が赤くなったままですが、転んでもただでは起きないようです。