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「誰かこの書類頼めないかなあ…恵ちゃんは…」
私はキーを打つ振りをしながら隣のビルを眺める。上司は、その聞こえない振りを見て他の社員を探した。
完璧だ!数々のアイドルを育てあげた一流振付師の元でレッスンに励んだ結果、私は仕事を怠けるうえで必要な"振り”の全てを習得したのだ!
今上司にしてみせた振りの他にも…知らない振り、初めて聞いた振り、疲れた振り、休憩を終えた振り、電話してる振り等々…。
もはや誰の目にも、嘘偽りのない反応として映るだろう。振付師にもアイドル顔負けの表現力と絶賛された程だ。故に、もう私のファンクラブすらできているらしい。
だが慢心は禁物、今夜もレッスンに励むのだ!

「誰かこの…」
今日も予想通りの台詞が聞こえ、私は反射的に窓に顔を向ける。だが、そこで見てしまったのだ!
隣のビルの屋上で[恵LOVE]と書かれたシャツを着た男の集団が、私に合わせて聞こえない振りをするのを!
その他
公開:20/03/18 13:13
更新:20/03/18 13:44

くろせさんきち( 園山グラウンド )

諸君、私は400字が好きだ
諸君、私は400字が好きだ
諸君、私は400字が大好きだ

猫コンテスト入賞∶猫神様
ベルモニー節目コン入賞∶十代の潜水生活
空想競技2020入賞∶魔法使いの風船バレー
                ∶誰そ彼高跳

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