飛行機ゲーム

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いまから何千年かのち、人類の殆どはいまよりも進化した体を持っていた。それは、走り続け、ジャンプすると飛行機のように翼が生え、飛ぶことができる、というものである。
そこで、人々の間に、あるゲームが広まった。
それは「飛行機ゲーム」。決めた地点とスタート地点を往復し、最も早く帰ってきた人が勝利、というゲームである。
その日、ある学校で飛行機ゲームをしようとしている生徒達が現れた。
中間地点はハワイ。学校の校庭がスタートである。
とうとうスタート時刻となった。
「よーい、スタートッ!」
皆が走り出した、と思われたが、1人だけ立ち止まって動かない。飛行機となった生徒達が見えなくなった頃、立ち止まっていた生徒が飛び立った。それも、真上の空へ。



そう、その生徒は希少な、ロケットになるという体質であった。


その生徒がゲームに勝てなかったことは、言うまでもない。
SF
公開:20/03/20 11:16

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