昔の大学入試模擬試験監督アルバイト

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60年代はまだセンター試験や共通一次試験もなく、国立大一期二期の時代だった。大手受験出版社主催の入試模擬試験が全国的に行われ、入学難易度等が発表され志望校選びに一役かっていた。
そんな時模試試験場での試験官バイトがあり応募した。私も大学生であり舐められぬ様、服装も学生服ではなく一見大人風に見えるであろう安物背広を着てみた。
受験生の各机は隣席と離して配置にしてあり、注意点を読み上げ問題用紙を必ず裏側にして配る。合図までは絶対に表を開けぬよう注意もし、私の開始で試験が始まり静寂の中に用紙を開ける音だけが教室に響く。監視する様な感じで机の間を行き来し不正がないかもチェックする。

解答用紙には氏名・受験番号・高校名・志望大学学部名等の記入欄もあり確認と同時に、そっと興味本位に覗き込む。フムフム彼はこの大学志願か。雰囲気を観察しながらいけるかも?いや、こいつはとても無理だろと決めつけ教壇に戻る。
青春
公開:20/03/19 10:30
更新:20/04/08 18:18

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