饅頭じゃないよ。あれが怖い

「怖いよ。怖いよ。もうすぐ、奴がやって来る。逃げたいよ。もう世界の終わりだ」

「一体、君は何が怖いんだい？」

「月曜日が怖いんだ」

「なんで月曜日が怖いんだい？」

「だって月曜日になったら株価が暴落しているかもしれないじゃないか」

「どうして株価が暴落すると怖いんだい？」

「そりゃ、二十年間稼いだお金をすべて株や先物取引につぎこんでいるからだよ。株価が暴落すれば投資した会社が倒産する。そうなったら僕は一文無しになって野宿で凍死してしまう」

「つまり、投資した結果、何の成果も得られず、凍死するのが怖い訳だ。それじゃ、最近、巷で流行のコロナは怖くないの？」

「怖くないよ。だってただの風邪じゃないか。いや、よく考えたらこんな状況に追い込まれている原因はコロナのせいじゃないか。誰か責任者出て来い」

「責任者なんていないよ」

「いや、いるよ。流行には必ず火付け役がね」