尻尾

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 あてもなく町を歩いていたら、町外れの無人販売所に、尻尾が売られているのを見つけた。「人間、飽きませんか」とたどたどしい字で書かれた紙が貼られている。何かの気配を感じてはっと顔を上げると、販売所の裏にある畑の向こうの森の中から、無数の光る目がこちらを見つめていた。どうしよう。飽きたといえば飽きているしなぁ。
ファンタジー
公開:20/03/17 18:46

六井象

短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/

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