裁縫系男子の憂鬱
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「違う違う、ここはこうやって縫うのよ」
「えっと……」
一生懸命僕に教えてくれる彼女は、裁縫教室の先生をやっている。かなり長いことやっていたらしいが、もう生徒は僕一人しかいない。
「ふぅ、やっとできた」
「今日はこれまで……といっても、今日で最後だけどね」
「明日からここは取り壊しか……寂しくなるなぁ」
「仕方ないわよ。私も体が弱いし、入院しないといけないから実家に戻るし」
病弱な彼女は仕事に就くことができず、かろうじて裁縫の教室で食いつないできた。だが、明日からは病院生活だ。
「また会いに来てもいいですか?」
「もちろん……といっても、病室だと思うけど」
こうして、彼女とは別れた。
次に出会ったのは5年後、彼女は棺桶の中で、静かに眠っていた。僕はその場で泣き崩れた。
「やっと君に着せるためのドレスが出来たのに……」
「えっと……」
一生懸命僕に教えてくれる彼女は、裁縫教室の先生をやっている。かなり長いことやっていたらしいが、もう生徒は僕一人しかいない。
「ふぅ、やっとできた」
「今日はこれまで……といっても、今日で最後だけどね」
「明日からここは取り壊しか……寂しくなるなぁ」
「仕方ないわよ。私も体が弱いし、入院しないといけないから実家に戻るし」
病弱な彼女は仕事に就くことができず、かろうじて裁縫の教室で食いつないできた。だが、明日からは病院生活だ。
「また会いに来てもいいですか?」
「もちろん……といっても、病室だと思うけど」
こうして、彼女とは別れた。
次に出会ったのは5年後、彼女は棺桶の中で、静かに眠っていた。僕はその場で泣き崩れた。
「やっと君に着せるためのドレスが出来たのに……」
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公開:20/03/15 00:43
短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。
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