課金

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「くそっ、またSSRが出なかった」
「俺も。また課金するか?」

部屋から子供達の悲嘆が聞こえる。10,000円もするプリペイドカードを嬉々として買ってきたのは数分前のこと。
あの子達はロクに受験勉強もせず、またゲームに課金をしたらしい。
会話を聞きながら頭を抱えるのは何度目だろうか。

「今回もダメだわ、あの子達は私たちの理想から遠すぎるのよ。一体幾ら使えば"SSR"が出るのかしら?」
「次に期待しよう、アレは俺が"売却"するよ」

「おかあさん」
奥の部屋から私たちを呼ぶ"N"や"R"の声が重なった。
その他
公開:20/03/14 21:13

べね( 千葉 )

私の作品を読んで頂きありがとうございます。

趣味でショートショートを書いています。
だいたい即席で書いているので、手直しする事が多々あります。
多忙のため更新頻度はとても低いです、ごめんなさい。
星新一さんや田丸雅智さん、堀真潮さんの作品に影響を受け、現実感のある非現実的な作品を書くのが好きです。
最後の1文字までお楽しみください。

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