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老舗旅館の一室で殺人事件が起こった。
被害者の部屋には鍵がかかっており、完全な密室状態。
室内には争った形跡がある事から殺人事件と断定された。
一体誰が犯人なんだ…
誰もが頭を悩ませる中、訪れたのは一人のバリスタだ。
「今日も事件の香りに誘われてやって来てみれば…これまた血生臭い事が起っているようですね…」
愁いを帯びた瞳でそう話すは近くの喫茶店で働く若者。
彼は珈琲を一口飲むと「ふむ…妙ですね」と言って、密室殺人のトリックを暴いていった。凄いな!
「私が凄いのではありません。この交琲には利妙作用というものがありまして、これを飲めばやたら妙な事に気付けるのですよ」
私も一口貰った。若き日、交番勤務の時に好んで飲んだ味だ。
妙と言えば君もそうだな。その動作…もしや…
私の質問に彼は新たな珈琲を淹れ始めた。
「どうぞ公琲です。そして私の正体は秘密にしてもらえますか?」
やはり貴様!公安警察か!
ミステリー・推理
公開:20/03/14 19:40

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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